ここに一枚の葉っぱがあります。
緑色です。
でも本当に緑色だと、あなたは断言できますか?
もしかすると、あなたが見ている「緑色」と、隣に居る人の「緑色」は違っているかもしれません。
あなたが「赤色」だと思っている色を、隣の人は「緑色」という言葉で表現しているのかもしれない。
でもお互いにその色を「緑色」という言葉で表現している限り、互いが違う色を見ていることには永遠に気付くことはないのです。
実際、昆虫などの生き物には、人間が見ているのとは全く違った色彩の世界が見えているそうです。
色なんて結局は、その物質が吸収しなかった光の波長でしかありません。
あなたが見ている世界は、ほんとうに隣の人が見ている世界と同じ世界ですか?
さらに疑いだせば、あなたが「緑色」といったつもりでも相手には「赤色」と聞こえているかもしれない。
そして相手の「ああ、確かに赤色だ」という返事もあなたには「緑色だ」、と聞こえているのかもしれない。
全ての感覚は所詮は電気信号のやりとり。
絶対にあなたと同じ感覚を隣の人が感じていると言いきれますか。
事実、あなたが美味しいと思う食べ物を不味いと感じる人はたくさん居るはず。
あなたが感じている世界は、ほんとうに隣の人が感じている世界と同じ世界ですか?
幼い頃よくこんなことを考えては、何が現実なのかわからなくなり不安と気持ち悪さで眠れなくなったものです。
この事を通して私が言いたいのはですね。つまりこういう事なんですよ。
あなたがケノの文章を「面白くないなぁ」と感じたとしても、本当はあなたが読んでいるのと全く違うことが書かれているのかもしれないのです。
それはもう、可笑しくて腹筋がよじ切れるくらいの。
ケノにもそれほど面白くは見えないのですが、きっと本当はすごく面白いことが書いてあるに違いありません。
いやあ、実に残念だなぁ。この抱腹絶倒の文章をあなたが読むことが出来なくて。
しかあれかし。